そうして、長ぐつをはいたネコは、ふくろをかついで、いきようようとおしろに行き、おうさまにお会いしたい、と言いました。

ネコは、王さまの前に行くとうやうやしくおじぎをし、

「王さま、わたくしは、主人のカラバ侯爵こうしゃくからの言いつけで、このウサギを王さまへのおくりものとしてお持ちしました」と言いました。

王様の御前

(カラバ侯爵というのは、ネコが勝手かってに自分の主人につけた名前です。)

王さまは

「それはありがたいことじゃ、そなたの主人におれいを伝えておくれ」と言いました。

つぎに、ネコは麦畑むぎばたけの中でふくろをしかけてかくれていました。

そしてヤマドリが二羽にわふくろにとびこむと、同じように王さまのところへ持っていきました。

王さまはたいそうよろこんで、ネコにごほうびをくださいました。

ネコはその後も二、三か月の間、カラバ侯爵のお使いと名のっては、いろいろなえものを王さまのところへとどけました。