王さまは馬車に侯爵をまねき入れ、馬車でいっしょに出かけることにしました。

ネコは自分の計画けいかくがうまくいったので得意とくいになって、馬車より先にどんどん歩いて行きました。

少し行ったところで、牧場ぼくじょう草刈くさかりをしている農夫のうふたちに出会うと、

「もうすぐ、王さまの馬車がここを通る。もし王さまがこの土地はだれのものだとおたずねになったら、カラバ侯爵のものだとお答えするのだぞ。 言うとおりにしないと、お前たちの首もざっそうのようにひっこぬいてしまうぞ」とおどしました。

農民を脅す猫

やがて王さまの馬車が通りかかり、王さまはこの土地はだれのものだとたずねました。

農夫たちはすっかりおびえていたので

カラバ侯爵さまのものでございます」と、ネコに言われたとおり答えました。

王さまは農夫たちの言うことをすっかり信じ、

「たいした領地りょうちをお持ちですな」と言いました。

侯爵は、

「この土地からは毎年たくさんの作物さくもつがとれるのです」と答えました。