ここは大金持(おおがねも)ちの人食(ひとく)い鬼(おに)のお城(しろ)でした。
いままで王さまが通ってきた土地は、みんなこの人食い鬼のものだったのです。
ネコはこの人食い鬼のことをよく調(しら)べて知っていましたから、
お城に入ると、
「この近くを通りかかりましたので、ぜひご主人さまにお会いしてごあいさつをしたい」と、申(もう)し出ました。
それを聞いた人食い鬼は気をよくして、できるだけていねいにネコをもてなしました。