ネコは行く先々で先回(さきまわ)りをし、麦刈(むぎか)りをしている農夫たちにも同じように
「王さまがお通りになったら、この土地はみんなカラバ侯爵のものですというのだぞ。
でないと、お前たちみんなひき肉にしてしまうぞ」とおどしました。
王さまは、通りすぎてきたどの畑(はたけ)も牧場も、
「カラバ侯爵さまのものです」という答えが返(かえ)ってくるので、
すっかりおどろいてしまいました。
こうしている間にもネコはどんどん歩いて行き、やがて、りっぱなお城(しろ)へたどりつきました。