しばらくして、ネコはおそるおそる、
「聞くところによりますと、あなたさまはどんな
ライオンやゾウにもなれるのでございますか」とたずねました。
「もちろん、なれるとも。うそだと思うなら、みせてやろう」
こう言うと、人食い鬼はすぐに大きなライオンに
ネコは、いきなりライオンが
長ぐつでかけのぼるのはとてもたいへんでした。
しばらくたって、人食い鬼がもとの姿にもどったのをたしかめると、ネコは屋根からおりてきました。
「ああ、こわかった!今にも食べられてしまうかと思いました。ところでこれも聞いた話ですが、
あなたさまはもっと小さい動物にもなれるそうですね。 たとえば、ハツカネズミのような小さな生きものにでも?
いくらあなたさまでもそんなことはできないでしょう」
「なに、できないだと!」人食い鬼は大声でどなると、ハツカネズミに変身し、ちょろちょろゆかの上を走りました。
ネコはそれを見ると、すぐにすばやくネズミにとびかかり、あっという間に食べてしまいました。